この人生だからこそ
国際伝道部長 前田貴史
「なぜ自分は、今の時代に生まれてきたのだろう」と考えることがあります。なぜ、この両親のもとに生まれ、この家族に育てられたのか。なぜ、この人と出会い、この子どもたちと人生をともにしているのか。そして、なぜ自分は、今、このような生き方をしているのか――。
普段はあまり考えない「なぜ」ですが、法華経には、私たちは願ってこの世に生まれてきたという教えがあります。そうであるなら、偶然と思える出会いや出来事も、すべて「自分の命を磨き、誰かのために生きるためのご縁」と受けとめられるのではないでしょうか。
人生には、楽しいことだけでなく、苦しいことや思い通りにならないこともあります。しかし、そうした出来事を一つひとつ受けとめる中で、私たちの命は磨かれていきます。
永遠のいのちから見れば、人生はほんの一瞬。その一瞬を「なぜこんな人生なのか」と嘆くのか、「この人生だからこそ、自分にできることがある」と生きるのか。 生まれてきた時代、家族、出会い、そして今日という一日。そのすべてを、「命を活かすために与えられた舞台」と受けとめたいものです。そうすることで、人生は「なぜ」と嘆くものから、「では、どう生きよう」と一歩を踏み出すものへと変わっていくのではないでしょうか。
